Author:安藤心吉
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61才・A型
犬の散歩を終えて帰宅。
父が私の顔を見て、
「あなたは誰ですか?」と聞いた。
この言葉は初めてであった。
いつかこんな日が来ると思っていたが、意外に早かった。
もう1年以上、父は私が息子である認識はないが、少なくとも家の人間であり、世話をしている人か兄とでも思っているようだった。
それが、ついに初めて会った人のように「あなたは誰?」ときたのだ。
私は、この5年間父を老人ホームに入れずにいた。
それは、父にとって家族と暮らすのが父の幸福にとって最善であるとの判断があったからだ。
しかし、父の認識の中で私が家族でなくなれば、父は一人と同じである。
家族という認識がなくなっても父を家で世話する意味があるのだろうか?
今後の課題である。
そうだ、今日は気晴らしにパチンコでもしようかな?
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